カタカナ語は私たちの日々の会話にもなくてはならない存在になってきました。
カタカナ語を乱用した日本語はあまり美しいものではないかもしれませんが、カタカナ語の語彙を持っていること自体は英語学習者にとって大きな強みです。
知っている、自分で使っているカタカナ語を有効活用してリスニング力アップにつなげましょう。
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日本人に難しい発音いろいろ
この記事に例として挙げられている単語は一見するとビジネスには関係のなさそうなものが多いですが、デキル大人は話の引き出しも多いものです。
いつか「あ、このことか」と思える日がきっと来るはずですから、ぜひ参考にしてみてください。
目次
英語のリスニングにカタカナ発音では通じない英単語
英語の発音は日本語の棒読み発音とはまるっきり違うので、カタカナを見ただけで正確な英語の発音を察することは残念ながら至難の業です。
慣れるまでは少し面倒かもしれませんが、新しいカタカナ語に出会ったらできるだけその単語の元となる言葉を調べてみましょう!
あなたが想像した通りのつづりでしたか?
英語のつづりを見比べたり実際の音を聞いて正しい発音を覚えることが大切です。
カタカナ語を伝わる英単語にする際の注意点
- アクセントの位置を間違えない
- 「l, r, th, z, v」など日本語にない音に気をつける
- 「ア」の音(特に[ʌ] vs [æ])に気をつける
- カタカナ語でも必ずしも英語由来とは限らない
下の表は日本人同士の会話でも使われるカタカナ語ばかりですが、左から2列目のつづりの列を隠して英単語が発音できたらかなり上出来です!
ぜひお試しください。
カタカナ語 | つづり | 注意ポイント |
ビタミン | vitamin | イギリス英語ではビタミン[vɪt.ə.mɪn]ですがアメリカ英語ではバイタミン[vaɪ.t̬ə.mɪn]。アクセントが一つ目のiにある点に注意 |
アルコール | alcohol | アルコホールと発音します。アクセントは一つ目のa、発音は[æ]。 |
ビール | beer | ビア |
ポルトガル | Portugal | ポーチュガル |
ハンバーガー | hamburger | ハンバガーですが、ンはnではなくmであることを意識しましょう。アクセントは一つ目のa、発音は[æ]。 |
バーボン | bourbon | [bɝː.bən] bourの発音がとても難しいので、なんども繰り返し練習をして聞き返されずに一度で注文できるようにしましょう! |
ヨット | yacht | スペルを見ると身構えてしまいますが、「ヤット」でOKです。 |
マクドナルド | McDonald’s | マックダノーズと所有格のsを忘れずに! |
ガラパゴス | Galapagos | アクセントが2つ目のaにあります。ガラパゴス化は和製英語なので要注意です。 |
ブルックリン | Brooklyn | RとLが混在して、意外と日本人には発音が難しい単語 |
ドラマチック | dramatic | アクセントが2つ目のaにあります |
シック | chic | シイク |
アレルギー | allergy | アラジィでアクセントが一番最初のaにあります |
サンダー | thunder | [θ]と[ʌ]の発音 |
ナルシスト | narcissist | ナーシシスト |
ワクチン | vaccine | ヴァクシーン |
フォルクスワーゲン | Volks Wagon | ヴォークスワゲン |
ゼリー | jelly | ジェリー |
ゼラチン | gelatine | ジェラティン |
コーヒー | coffee | コフィー、カフィー、 |
キャベツ | cabbage | キャベッジ。複数形もキャベジーズでキャベツにはなりません。 |
キリン | giraffe | キリンは中国系の由来のようです。 |
トナカイ | reindeer | トナカイはアイヌ語由来 |
オットセイ | sea lion | オットセイははアイヌ語由来 |
ラッコ | sea otter | ラッコははアイヌ語由来 |
アザラシ | seal | 日本語で海豹、痣之獣。。。なんと日本語でした! |
英語リスニングで聞き取りたい文法的に誤りなカタカナ語
気になるカタカナ語はできるだけ語源となる言葉を調べておきましょう。
カタカナ語だからといって全てが英語由来とは限りません。
また、英語は英語でも文法が違う場合もあるので要チェックです。
カタカナ語では過去分詞の「ed」が省かれていることが多い
過去分詞が使われている英単語も、カタカナ語では「ed」が省略されてしまっていることが多いので注意してください。
下の例では朝食メニューが多いですが、ホテルの朝食で格好良くオーダーをキメるためにも大切なコワザですね。
日本人の耳には聞こえるか聞こえないかの小さい「ed」でも、英語ネイティブにとっては存在感絶大です。
忘れずに小さく入れておきましょう!
カタカナ語 | 英単語 |
アイスコーヒー | iced coffee |
アイスティー | iced tea |
マッシュポテト | mashed potatoes |
スクランブルエッグ | scrambled eggs |
ホイップクリーム | whipped cream |
クラッシュアイス | crushed ice |
ミックスナッツ | mixed nuts |
チョップオニオン | chopped onions |
グリルチキン | grilled chicken |
ベイクポテト | baked potato |
トスサラダ | tossed salad |
缶ビール | canned beer |
カタカナ語では複数形の「s」が省かれていることが多い
スクランブルエッグも複数の卵が使われていることが多いので「scrambled eggs」と複数形になります。
オリンピックは「the Olympic games」や「Olympic medals」のように形容詞的に使われている場合は単数形ですが、オリンピック大会そのものを指す場合は「the Olympics」と複数形で使われます。
オリンピックの話題になったら、ぜひその違いを意識して聞いてみてください。
また年末の挨拶に使われる「ホリディ」は、クリスマス、ハヌカ(ユダヤ教の祝日)、元旦などの祝日を全部ひっくるめて複数形で「Enjoy your holidays!!」などにすると自然ですよ。
カタカナ語 | 英単語 |
フレンチフライ | French fries |
マクドナルド | McDonald's(所有格のS) |
スクランブルエッグ | scrambled eggs |
マッシュポテト | mashed potatoes |
オリンピック | the Olympic Games, the olympics |
ハッピーホリディ! | Happy holidays! |
日本語の会話ではそのものが単数か複数であるかは大きな問題ではないためかなりテキトウに流されてしまいますが、英語でははっきりさせます。
英単語 | 解説 |
sock, socks | 片方だけの靴下はsock。右の靴下ならmy right sockとなります。 |
shoe, shoes | 片方だけの靴はshoe。左の靴は my left shoeとなります。 |
twin, twins | 双子の一人はtwinで二人揃ってtwins |
foot, feet | 片足はfootで両足でfeet。長さでもhalf a foot (= 6 inches), one foot, one and a half feet, two feetなどのようになります |
peanut, peanuts | 一粒ならpeanut |
fruit, fruits | 1つだけならfruit |
grapefruit, grapefruits | 1つだけならgrapefruit |
grape, grapes | grapeだと一粒だけなので、ぶどうが好きですという場合は「I like grapes.」の方が自然。a piece of grape, a bunch of grapes, grape juice |
英単語が由来のカタカナ語でも日本人独自の意味で使われているものもある
発音という観点からは少しずれてしまいますが、英単語としてはOKでも、日本語で使われる意味と異なることもあるので気をつけましょう。
英語での本来の意味も覚えておくと便利です。
カタカナ語 | 解説 |
ガラパゴス化 | 英語にはGalapagos syndromeとして訳されている和製英語。会話でこの言葉を使う場合は、それがどういう意味なのかを説明する必要があるでしょう。そもそもガラパゴス諸島を知らない人もアメリカでは多いです。 |
S, M, L | サイズ表記には「S, M, L」とあっても、「small, medium, large」と発音します。 |
ナイーブ | naiveは「何も知らない騙されやすい無知な人」というどちらかというとネガティブな意味。幼い子供にもnaiveは使えます。 |
スマート | smartは「賢い」という褒め言葉。 |
アプリ | applicationの略を日本語ではアプリと呼びますが、英語ではappと呼びます。 |
ハーフ | halfは「半分」という意味なので、もう半分がないと不自然ですね。例:I am half Japanese and half American. |
ヒップ | hipはお尻ではなくて腰です |
レンジ、コンロ | 電子レンジはmicrowave。アメリカのコンロは上のガス台の下にオーブンが一体化された大型のものが一般的です。コンロ全体はgas stoveやelectric stove、ガス台部分はstove topと呼ばれることが多いです。 |
また映画のタイトルがカタカナだからと言って必ずしも原題をそのまま引き継いでいるとも限りません。
英語ネイティブと映画の話をするときは原題を調べておかないと伝わらないので要注意です。
邦題 | 原題 |
グリーンデスティニー | Crouching Tiger, Hidden Dragon |
ラブ・アゲイン | Crazy, Stupid, Love |
モンスターホテル | Hotel Transylvania |
ラブダイアリーズ | Definitely, Maybe |
シュガーラッシュ | Wreck-It Ralph |
ザ・エージェント | Jerry Maguire |
インサイドヘッド | Inside Out |
ベイマックス | Big Hero 6 |
英語リスニングで聞き分けたい発音
日本語にない音の聞き分けはとても難しいです。
なんども繰り返し聞いて発音して、耳と口で覚えてしまいましょう。
「英語リスニングは「ア」の発音に要注意」や「英語リスニングにLとRの発音を克服しよう」の記事もぜひ参考にしてみてください。
[ʌ] vs. [æ] | l vs. r | そのほか |
up / app | clap / crap | マミー/ mummy / mommy [ʌ] vs. [ɑː] |
much / match | light / right | アント/ aunt / ant [ɑː]または[æ] vs. [æ] |
bud / bad | glue / Gru | アダプト/ adopt / adapt [ɑː] vs. [æ] |
butt / bat | dolly / Dory | スター/ star / stir [ɑː] vs. [ɝː] |
fun / fan | bling / bring | ボール/ ball / bowl [bɑːl] vs. [boʊl] |
truck / track | lay / ray | イヤー/ year / ear [jɪr] vs. [ɪr] <難> |
stuff / staff | bloom / broom | シー/ sea / see [siː] vs. [siː] (同じでOK) |
cup / cap | long / wrong | シット/ shit / sit [ʃɪt] vs. [sɪt]<要注意> |
uncle / ankle | player / prayer | ロー/ law / low [lɑː] vs. [loʊ] |
発音に気をつければカタカナ語も英語のリスニング力アップに使える
カタカナ語だから使えないということはありません。
使い方によっては私たち日本人の強い味方。
だって、すでに大まかな音と意味が理解できているんですから。
「大まかな音」というのがミソですが。。。
なぜなら日本人が聞き取り&発音しやすいように日本人向けに改良されている音だからです。
気になる単語に出会ったら、ぜひ、つづりや意味、英語での使われ方などを調べてみてください。
実は英語由来ではなかった!という面白い発見もあるかもしれません。
普段使っているカタカナ語を英単語としていつでも使えるように、ホコリを落とし、整理して引き出しにしまっておきましょう。
自分で知っている、正しく発音できる単語は聞き取れます。
知っているカタカナ語を使って、リスニング力アップに役立てましょう!
"Motivation is what gets you started. Habit is what keeps you going." - Jim Ryun, an American former politician and Olympic athlete