早く英語のリスニングを上達させたいですよね。
英語の音を聞き取れるようにするには、自分で正確に発音できるようにすることがとても大切なポイントなのですが、意外と見落としがちなのが「ア」の発音です。
日本語の発音にも「あ」はあるんだし簡単でしょ?と思いませんか。
意外とそうでもないのです。
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目次
英語リスニングに「ア」の発音練習が必要なわけ
普段私たちが使うカタカナ語にも「あの段」がたくさん潜んでいるので、カタカナ語の発音に引っ張られないようにする注意が必要です。
私たちとってはただの「ア」でも、英語の発音では「アのようなエ」や「アのようなオ」など、全然違う音なのです。
例えば、、、
マスク(mask)、アンダー(under)、パンプキン (pumpkin)、タオル (towel)、トランク (trunk)、ラブ (love)、ブラザー (brother)など。
実はこれみんな、発音記号をみるといろんな種類の「ア」の音が混じっているーんです。
なんてややこしい!
それでは実際にみてみましょう。
短く喉の奥で「アッ」の[ʌ]が一番易しい
難易度★★☆☆☆
なんとこの[ʌ]ですが、
よくよく英単語の綴りをよくみて見ると「a」はなくて…
ハングリーやアンダー、トランク、サンデーなどの「u」や、
ハニーやシャベル、ブラザーやラブなどの「o」ばかりなんです。
「アッ[ʌ]」にはアクセント(強調)がついていることが多いという点にも注目です。
練習してみましょう。
「u」の「アッ[ʌ]」
「o」の「アッ[ʌ]」
honey | come | shovel | mother |
nothing | young | once | other |
Monday | money | love | monkey |
brother | touch | tough | sometime |
blood | country | color | double |
意外と練習が必要な「apple」の[æ]
難易度★★★★☆
いわゆる「アのくちでエ」と言われることが多い音です。
発音記号[æ]をよくよくみて見ると、「a」と「e」がくっついた形に見えませんか?
なぜならこの音はズバリ「a」と「e」を足したような音だからなんです。
「エのくちで少しのア」ではないかと思うくらいに口を横に伸ばして発音している英語ネイティブの人もいるくらい。(⇦出身地域による)
私たち日本人にとって最大のコツは大げさなくらいに「エ」を意識することです。
恥ずかしさを捨て、[æ]の音を練習してみてください。
英単語の綴りだとほぼ「a」に限定されますす。
apple | mathematics | match | cat |
master | mat | hat | have |
gas | mask | family | fast |
fascism | fashion | handle | calendar |
happy | gang | fact | travel |
適当でも大丈夫なくらい主張しない[ə]
難易度★★☆☆☆
口を軽く開いてとても軽〜く発音するだけの、間違っていても気付かれなさそうな[ə]。
なぜそんなに軽くてもいいのかというと、アクセント(強調)が付いていないことが多い主張しない音だからです。
下の表の中でもアクセントがついているのは唯一「some」の「o」だけ。
英単語の綴りだとに圧倒的に「a」が多いですが、「e」や「i」や「o」もあります。
ペンシル(pencil)の「i」やファミリー(family)の「i」もそうやって意識して聞いてみると、確かに[ə]と聴こえて来ますよ。
お試しください。
material | attack | adventure | garage |
sofa | ago | original | amount |
success | about | pilot | family |
than | assistant | association | Atlantic |
elephant | elevator | some | bottom |
balloon | salad | taboo | pencil |
Rを強く意識する「アー」[əː]
難易度★★★★★
先ほどの主張しない軽い[ə]の口で舌を後ろに反らし、のどから「アー」と「r」を意識して発音して見てください。
英単語の綴りだと「ir」「er」「ur」「ear」「or」「our」「yr」。
あなたの大好きな真珠のネックレスも、日本語「ぱーる」ではなく「r」を意識して「pearl」と発音してみてください。
bird | world | search | surprise |
turn | nurse | work | word |
person | first | percentage | pepper |
early | pearl | journey | birthday |
turtle | service | earth | her |
perfect |
Rの主張がそこまで激しくない 「アー」[ɑː]
難易度★★★★☆
[əː]と同様に「アー」の音ですが、[ɑː]はもう少し口を大きく開けて「アー」 と長く発音します。
[əː]ほど「r」っぽくありません。
英単語の綴りだと「a」「ar」です。
garden | father | yard | tart |
target | army | arm | article |
star | Tarzan | art | start |
英語のリスニングには「オのようなア」の発音にも注意
ホット、ロック、ボックス、トール、オールなど、カタカナでは「オ」なのに、英語の発音では「ア」のような「オ」になる単語がたくさんあります。
ただしこれは特にアメリカ英語の特徴なので、イギリス系の英語を聞いて「アっぽさが聴き取れない」と悩む必要はありません。
「hot」や「pot」は英流[ɒ]と米流[ɑ:]
難易度★★★★☆
イギリス英語では[ɒ]の発音記号でほとんど「オ」と発音されるのに対し、アメリカ英語では[ɑ:]や[ä]の発音記号で「ア」のような「オ」と発音されることが多い。
アメリカ英語っぽい発音なら、口を大きく開いて喉の奥の方から「ア」のような「オ」を発音してみましょう。
monster | not | college | soccer |
hot | lock | rock | box |
salon | dog | knock | job |
bottle | bottom | want | somebody |
October | grandma | not | mommy |
「loss」は英流[ɒ]と米流[ɔː][ɑ:][ȯ]
難易度★★★☆☆
上記同様に、イギリス英語では[ɒ]の発音記号でほとんど「オ」と発音されるのに対し、アメリカ英語では[ɑ:][ȯ][ɔː]などの記号を使い「ア」のような「オ」と発音されることが多い。
日本語の「オ」よりも口をあけ、唇をまるくして前に出し、「オ」と「ア」の中間の音を発音します。
Oxford Learners | Cambridge | MacMillan | Merriam-Webster |
UK [ɒ]/US [ɔ] [ɔː] | UK [ɒ]/US [ɑː] | UK[ɒ] | ˈ[ȯ] |
loss | loss | loss | loss |
cost | cost | cost | cost |
off | off | off | off |
law | law | law | law |
August | August | August | August |
all | all | all | all |
tall | tall | tall | tall |
辞書ごとに提示される発音が異なるのも面白いですね。
リンクには全てオーディオが付いていますのでぜひ聴き比べてみてください。
英語のリスニングと「ア」の発音のコツまとめ
カタカナでは「ア行」と一括りにされている「ア」の音にこんなにたくさんの発音の種類があることはご存知でしたか?
発音記号って世界中の誰がみても同じように理解できるように記号化されているのに、その音が自分のものになるまではわかりにくいですよね。
音の違いがまだはっきりとはわからなくても、違う種類の「ア」の音があるんだということだけでも覚えておいてくださいね。
きっとすぐにわかる日が来ます ♪( ´▽`)
最後に、この記事の中に出てくる発音記号は主に「ニューカレッジ新英和中辞典」及び「ケンブリッジディクショナリー」を参照しています。
複数通りの発音があるものについては、アメリカで使われている頻度が高いものを私の独断で採用しました。
また、対象となる母音に下線をつけわかりやすいようにしていたのですが、
発音を参照するためのケンブリッジディクショナリーの単語リンクをそれぞれの単語に貼りつけたところ、全てのアルファベットにまたがる青い一本の下線になってしまいました。
リンクを貼っても青い下線が表示されない方法を探してみますが、
解決方法が見つかるまでは、対象となる母音がわかりにくいままになりそうです。
不自然なものやお気づきの点などがありましたら、お問い合わせフォームからご一報頂けると助かります。
ご理解ご協力ありがとうございます。