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マネーショートのMike Burryを英語でリスニング マイク・バリーってどんな人

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マネーショートのMike Burryを英語でリスニング マイク・バリーってどんな人

マネー・ショート 華麗なる大逆転(原題:The Big Short)」(2015年)はもうご覧になりましたか?

アメリカ超大手の投資銀行リーマン・ブラザーズの経営破綻を発端に瞬く間に世界中を金融危機が襲ったリーマン・ショック(2008年)の経営破綻の元凶となるアメリカの住宅バブル崩壊を予測し動いた一握りの投資家たちの姿を追う金融映画です。

そんな、見事にウォール・ストリートを出し抜いたと言われることの多いアウトローたちの中でも、さらに一歩先を進んでいたドクター・バリーことマイク・バリー(Dr. Michael James Burry)にスポットを当ててご紹介するシリーズです。

マイクとローレンス」の記事では、マイク自身が運営するファンドの顧客でもありメンターでもあるローレンス・フィールズとのやりとりを取り上げました。

字幕なしで観てみたいけど「英語がハイレベルすぎる」と躊躇されている方には、「マネーショートの英語を字幕なしで聞き取るポイントはズバリ‼︎」もおすすめです。

 

さて、マネーショートの映画解説に目を通すと、大抵はウォール・ストリートを出し抜いたアウトローたちの成功物語のように書かれているのですが、これだと少しマイクへの敬意が少し足りない感じがしてしまうのは私だけでしょうか 笑

なぜなら実際にはその他大勢が気付けないことに気付ける頭脳だけではなく、素晴らしい観察力と忍耐力を持つドクター・バリーことマイク・バリー(Dr. Michael James Burry)という実在するヘッジファンドマネージャーがいてこそのこの四人なのです。(4人全員が実在する人物というわけでもありませんが、少なくともモデルになった人物はいたようですよ)

そう、マイクがいなければ、ジャレッド(Jared Vennett)もマーク(Mark Baum)もベン(Ben Rickert)も、もっと違った形でリーマンショックを迎えていたことでしょう。

<マイクが導いた流れその1>

マイクが住宅バブルの間近の崩壊に気がつく⇨ 1.3ビリオンUSドルの空売り(1ドル120円で換算すると... 156,000,000,000円です。そう、私が単位を読み誤っていなければ1,500億円!?)⇨超多額の住宅ローンの空売りという前代未聞の業界大ニュースがドイツ銀行で働くジャレッドの耳にも届く⇨ジャレッドが住宅ローンのCDO(債務担保証券、Collateralized Debt Obligatio)のCDS(ここでは左記債務担保証券にかける保険のような金融商品のこと、Credit Default Swap)を手掛けるようになる⇒ジャレッドが間違い電話でたまたまつながってしまったマークの投資会社にCDSを売る⇒マイクの計算通りに住宅バブルが起こり、ジャレッドもマークもがっぽり稼ぐ

<マイクが導いた流れその2>

マイクが住宅バブルの間近の崩壊に気がつき論文を金融雑誌に寄稿⇨ ジェイミー(Jamie Shipley)とチャーリー(Charlie Geller)という二人の駆け出し投資家たちの目に留まる(※映画の中では銀行のJ.P.モーガン銀行のロビーのベンチに置き去られたジャレッドのCDSプレゼンを二人がたまたま手に取るシーンですが、実際は金融雑誌経由)⇒一攫千金を狙うものの、経験不足で自分たち二人だけではどうしていいのかわからないジェイミーとチャーリーは、メガバンク出身のベンに助けを乞う⇨ベンの協力のもと住宅ローンのCDSを購入⇒マイクの計算通りに住宅バブルが起こり、ジェイミーとチャーリーもがっぽり稼ぐ

 

こちらの記事では、そんなすごい導きをしたDr. マイクにスポットを当てます。

CDOやCDSなど、金融の専門用語はこちらの記事で解説していますので参考にしてみてください⇒「マネーショートの英語を字幕なしで聞き取るポイントはズバリ‼︎

 

マネーショートで聞き取るマイク・バリーの性格

今ではその実力が認められ逐一といってもいいほどに言動が取り上げられるマイクバリーですが、彼を有名にした奇跡の空売りまでは自分で立ち上げたヘッジファンドを運営するほぼ無名の投資家でした。

ちなみにDr. バリーの「Dr.」は医学士としての本物の「Dr.」で、医学部終了後に行う研修中に投資の世界に転身したという面白い経歴の持ち主です。

I've always been more comfortable alone

マイクが自分の幼い頃を振り返ります。

@5:58

MIKE: I've always been more comfortable alone. I believe maybe it's because of my glass eye. I lost the eye in a childhood illness. It separates me from people.

一人でいる方が好きな子供だったと言っています。

Even when I try to compliment someone, it comes out wrong.

本人が「it comes out wrong」と自覚しているところが興味深いです。

MIKE: Most social interactions are awkward for me and for the person. Even when I try to compliment someone, it comes out wrong...

MIKE: You have a very nice haircut. Did you do it yourself?

  • Compliment [ˈkɑːmpləmənt]:「褒める」「賛辞」「賞賛」という意味で使われます。
    • I take it as a compliment.
    • She is always fishing for compliments.

なんと発音が同じで一文字違いのこんな単語もあるので気をつけましょう!

  • Complement [ˈkɑːmpləment]:「補足して完全にする」「補足して完全にすること」
    • Peanut butter and blueberry jam greatly complement each other!
    • The piano sound complements the singer’s voice.
    • The simple yet sophisticated pearl necklace is complementing her black dress tonight.

それではクイズです。

ホテル宿泊の際によく聞かれる「コンプリメンタリーブレックファースト」はどちらのコンプリメントでしょう?

正解は「complimentary breakfast」で、無料で提供される朝食という意味になります。

いずれにしても発音は同じなので「違いを聞き取れるようにならなければ!」と焦る必要はありませんが、どこかで見かけた時に「スペルミス?」と誤解してしまわないためにも頭の片隅に置いておいて損はしなそうです。

「素敵な髪型」と褒められた後に「自分で切ったの?」と言われれば、相当仲の良い人でもなければどう反応してよいのかも微妙ですよね。

マイク本人には悪気はなさそうですが…

いずれにしても人付き合いが得意なタイプではなさそうです。

Greenspan is wrong.

自分自身にはあまり自信なさげのマイクですが、住宅バブルについては2006年まで約20年間アメリカの連邦準備制度理事会(FRB)議長を務めたアメリカ経済の権威すら間違っていると言い切る自信家でもありました。

@12:25

LAWRENCE: Really? But the housing market is rock solid. Greenspan just said bubbles are regional, defaults are rare.

中略

MIKE: Look, look... Greenspan's wrong.

LAWRENCE: I don't think you mean to do this, but sometimes you sound very dismissive and superior.

MIKE: It's a fact. Greenspan's wrong. I don't know how else you want me to say...

  • dismissive: 軽蔑的な
  • superior: 「上位の」「上級の」「優れた」という意味で知られるsuperiorには「傲慢な」という意味もあります。

I am the master of my fate... and the captain of my soul.

聞き取りではありませんが...

@25:26

I AM the MASTER of my FATE... and the CAPTAIN of my SOUL

ローレンスから住宅市場の巨大空売りの猛反対を受ける間、受話器を持ちながら自分の部屋を見回すマイクの目に留まったのがこの言葉が書かれたポスター。

もともとはウィリアム・アーネスト・ヘンリーというイギリスの詩人の「invictus」という作品の一節で、2009年の『インビクタス/負けざる者たち』という南アフリカの人種差別を取り上げた映画のタイトルにもなっています。

インビクタス/負けざる者たち』では「我が運命を決めるのは我なり、我が魂を制するのは我なり」と訳され、マンデラ元大統領がアパルトヘイトという人種問題と戦った際に繰り返したフレーズとしても有名です。

I just know how to read numbers.

ローレンスと一緒にオフィスにやってきて、ローレンスに便乗しながらマイクの巨大空売りに腹を立てる来客に「格安ヘアカットで散髪、仕事中は裸足のマイクバリーがグリーンスパンよりも住宅市場を知り尽くしているんだって?」と吹っ掛けられたマイクが「ドクターマイクです。で、はい、そうです。」と真面目に回答したことに対するローレンスの反応...

LAWRENCE: Are you being sarcastic with us, Mike?

MIKE: Lawrence, I don't know how to be sarcastic. I don't know how to be funny. I don't know how to work people. I... I just know how to read numbers.

  • sarcastic:「皮肉」
  • work someone: 自分の利益のために人を利用するという意味「informal To manipulate or exploit someone or something to one's own advantage.」  (idioms.comより)

マイクのとても真面目な人柄が伝わってきます。

I met my wife on Match.com.

マッチドットコムはお見合いサイトの代名詞として使われるほど、アメリカでは超大手のお見合いサイト。

MIKE: I met my wife on Match.com. My profile said, "I am a medical student with only one eye", "an awkward social manner", and "$145,000 in student loans." She wrote back, "You're just what I've been looking for." She meant honest. So let me be honest.

マイクは自分と妻との馴れ初めを例にあげ、投資家へ送るメールの書き出しで自分は人を欺くようなことはしないと誓います。

マネーショートで聞き取るマイク・バリーの気付き

住宅価格が下落することはあり得ないと信じて疑わないその他大勢と、現状を冷静に把握し対策を講じたマイクとの違いは何だったのでしょうか。

A few outsiders and weirdos saw what no one else could.

映画のオープニングのジャレッドのナレーションから。

@4:20

JARRED: But there were some who saw it coming. While the whole world was having a big old party, a few outsiders and weirdos saw what no one else could. Not me. I'm not a weirdo. I'm pretty fucking cool. But we'll meet again later. These outsiders saw the giant lie at the heart of the economy. And they saw it by doing something the rest of the suckers never thought to do. They looked.

そう。マイクはじっくりみたんです。

誰よりも先に、そして誰よりも詳しくみたのがマイクでした。

There were very specific identifiers, extremely recognizable.

1930年代の世界恐慌時の住宅市場の崩壊と比べてみます。

@5:00

MIKE: During the 1930s, the housing market collapsed nationwide by roughly 80%. I mean, half of all mortgage debt was in default. And, I mean, there were very specific identifiers, extremely recognizable. I mean, for instance, one of the hallmarks of mania is the rapid rise in complexity and the rates of fraud. And did you know that they're going up?

  • Identifier: コンピューター用語では「識別子」と訳されていますが、「確認する」「見分ける」の「identify」の名詞形で「確認させるもの」「見分けさせるもの」、つまり「目印」という意味になります。
  • hallmark:「特徴」「特質」「顕著な特徴」。 「品質証明」「太鼓判」など日本語で言う「お墨付き」のような証明を意味する単語としても使われます。
  • mania: 日本語では何かに熱狂している人に対して使われる「マニア」ですが、英語では「熱中」「執心」「熱狂」など人ではなく「熱狂させる」そのものを指します。熱中している人は「maniac」となるので注意です。例:He is a maniac. He is a gamble maniac.
  • fraud: 「詐欺」「詐欺行為」

過去の経済不況と金融詐欺の発生率に相関関係を見出すマイク。

The highest fraud rates since the 1930s.

@6:30

MIKE: And did you know that they're going up? The highest fraud rates since the 1930s.

DAVID: No, I didn't know that.

MIKE: In 1933, the fourth year of the Great Depression.

次のセリフに続くように、2001年のITバブルの崩壊時は1930年代以降で最悪の詐欺率だったようです。

Did you think it was strange...?

ITバブルが崩壊した2001年の状況と比べるマイク...

何かがおかしいのです。

@8:20

MIKE: Did you think it was strange when the tech bubble burst in 2001 and the housing market in San Jose, the tech capital of the world, went up? Wasn't that strange?

DAVID: No. No, it's housing. Housing is always stable. Low risk. It's solid.

ITバブル崩壊の震源地にもかかわらず、サンノゼの住宅市場が上がり続けるなんて「おかしい!」というマイクですが、「住宅市場はどんな時も安定しているんだから、何がそんなにおかしいの?」というのが新人デービッドをはじめその他大勢の考え方でした。

しかしマイクは「はいはい」とそう簡単に流してしまうタイプではありません。

I want to know what mortgages are in each one.

世間では国債並みに優良とさえ言われる住宅ローン債権について詳しく調べることにしました。

本当にそんなに安定しているのか?おかしくないか?と気になるマイク。

@8:43

MIKE: I want you to get me the top 20 selling mortgage bonds.

DAVID: So you want to know what the top 20 selling mortgage bonds are?

(中略)

MIKE: I want to know what mortgages are in each one.

まずはトップ20のそれぞれの住宅ローン債権(MBS)から、それらを構成している幾千ものローンを細かく調べることにしました。

I've never heard of that!

@11:16

MIKE: 95... That's 30 days late... Sixty days late... They pay on time... These FICO scores... Late. And they caught up on their payments... Another 30 days late... LTV, 95... LTV, 90... They caught up on their payments... Sixty days late? Jesus! LTV, 110? I've never heard of that! Thirty days late, rate adjusts... In '07 rate adjusts... In '06 rate adjusts... 95... 90... Jesus!

  • LTV: Loan to Valueの略で「不動産価格に対する借入金の割合」という意味。(詳しくはこちらの記事でも解説しています)

国債並みに格付けが高いはずの住宅ローン債権のはずなのに、それぞれのMorgage(不動産抵当証券) を一つ一つ丁寧に見ていると、LTV値が高く支払いも滞りがちな変動金利型サブプライム・ローンをたくさん含んでいることに気が付きます。

そんな債権がデフォルト(債務不履行)に陥るのも当然の流れ。

それどころか、このままでは住宅市場全体の崩壊までにそう時間がかからないであろうということまで見抜きました。

Our friend Michael Burry found out…

おまけ

バブルバスでシャンパンを飲むマルゴット・ロビーの解説によると…

@14:30

Our friend Michael Burry found out that these mortgage bonds that were supposedly 65% AAA were actually just mostly full of shit. So now he's going to "short" the bonds. Which means to "bet against".

65%はAAAで構成されているべき住宅ローン債権(MBS)も実は審査もないようなプライムローンであることをマイクが突き詰めたといっています。

マネーショートで聞くマイクバリーのまとめ

いかがでしたでしょうか

マイクを見ていると「何かがおかしい」と思うことがどれだけ重要なことなのか痛感させられます。

たとえ周りに「そうだ!何かがおかしい!」と同調してくれる人がいなくても、その「何かがおかしい」と言う気持ちを蔑ろにしないマイク。

そしてとことん調べることで、「何かがおかしい」が「絶対におかしい」という確信にかわります。

次の記事では「絶対におかしい」をバネに、ほかの人が考えたこともないような斬新なアイデアで誰もが絶対に弾けないと信じた住宅バブルに挑むマイクをご紹介しますのでお楽しみに!

初めから英語ですべてを聞き取るのは難しいですが、何度も繰り返すうちに聞き取れる単語がどんどん増えてきてきっと自信につながりますよ。

字幕なしで観てみたいけど「英語がハイレベルすぎる」と躊躇されている方には、「マネーショートの英語を字幕なしで聞き取るポイントはズバリ‼︎」もおすすめです。

 

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